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理事長挨拶

理事長写真
 海上・港湾・航空技術研究所は、運輸産業の国際競争力の強化や海洋の利用推進等を技術面から支えるため、2016年4月1日、海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所及び電子航法研究所の3つの国立研究開発法人を統合して設立され、2023年4月より第2期中長期目標期間を迎えました。

 海上・港湾・航空の分野においては、公共交通における安全・安心の確保、激甚化・頻発化する自然災害やインフラ老朽化の進行への対応、海洋の産業利用、航空需要拡大への対応、我が国産業の国際競争力の強化、2050 年のカーボンニュートラルの実現に向けた取組、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展など、多様かつ重大な課題に直面しているところであり、当研究所にはこれら技術的課題の解決が期待されていると考えています。

 設立時の第1期中長期目標期間では、研究所をまたぐ分野横断的な研究を立ち上げ、災害復旧対策評価のためのシミュレーション技術開発などに取り組みましたが、現在の第2期中長期目標期間では3つの研究所の連携をさらに進め、安全・安心社会の実現に向けた地震・津波、高潮・高波等による大規模災害時の輸送シミュレータ等災害防止・被害最小化方策に関する研究開発を、再生可能エネルギー関連施設の促進のための洋上風力発電施設の計画・施工、保守点検等の高度化に関する研究開発を、海洋環境保全のための船舶事故時等で問題となる油の回収等、環境汚染防止に寄与する研究開発を推進してまいります。

 また、分野横断的な研究以外では、3研究所が過去からのその強み・専門性を生かした研究を深化させており、以下の重点分野の研究に取り組んでまいります。
「海上技術安全研究所」
 :海上輸送の安全の確保、海洋環境の保全、海洋の開発、海上輸送を支える基盤的な技術開発
「港湾空港技術研究所」
 :沿岸域における災害の軽減と復旧、沿岸・海洋環境の形成・保全・活用と脱炭素社会の構築、
 経済と社会を支える港湾・空港の形成、情報化による技術革新の推進
「電子航法研究所」
 :航空交通の安全性及び信頼性の向上、航空管制の高度化と環境負荷の低減、空港における運用の高度化、
 航空交通を支える基盤技術の開発

 海上・港湾・航空技術研究所は、これからも、基準・ガイドライン等の策定といった技術的政策課題の解決への対応や災害及び海難事故発生時の対応等における技術的な貢献、大学や民間企業等、あるいは他の国立研究開発法人等との共同研究、受託研究、人事交流など研究の中核機関としての役割を強化し、研究開発成果の社会への還元を行ってまいります。さらに、国際標準関連機関への国際基準案等の提案書作成に対して引き続き積極的に関与し、連携も強化することで戦略的な国際活動を推進してまいります。

 これらの取組みにより、我が国技術・システムの国際的な普及を図る等の国際活動を戦略的に実施し、研究開発成果の最大化を図り、その成果を社会に還元することにより、国の政策の実現に貢献し、海事・港湾・航空に関する先端技術開発による明るい未来の創造を進めてまいります。

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
  理事長  庄司 るり